桔槹12月号から

写真は「写真AC」のフリー素材を加工使用

秋うらら縁に病む足晒しけり   深谷 栄子

病気になると、治療や薬だけでなく、自然からも癒しを感じることがある。風もなく気持ちの良い陽光が降り注ぐ縁側にいると、心が解き放たれるような感覚になる。「手当て」という言葉がある。病気や傷を治療する際に使われるが、文字通り、痛む場所に手を当ててさすられると、一時的に痛みが和らぎ安らぎを覚える。足の痛みや、間近に迫る冬を一時忘れさせてくれる日の光は、「陽当て」とでも呼べるだろうか。(選評:永瀬 十悟)