東京電力福島第一原子力発電所の事故から十三年経ちましたが未だ先が見えません。格納容器内の燃料デブリの取り出しをロボットにより行うとか、処理水の排出のことその他もろもろ心配なことばかりです。私達は花の時期を待ちわび、開花を喜び命の尊さを実感することと思います。花も終わり木の下に落ちている蘂を美しいと観賞もしています。ふっとあの原子炉に蘂が飛んで落ちているのかも知れないと思った。真っ暗な原子炉に色美しい蘂が落ちている。
美しいからこそ尚恐ろしい。この句によって、またあの事故を再認識させられる一句となった。(選評:江藤 文子)