四年ぶりに天王祭吟行句会復活‼
~きうり天王祭賞は二作品に~
去る七月十四日、コロナ禍により近年中止が続いていた、須賀川の夏の風物詩「きうり天王祭」が四年ぶりに開催されたことに伴い、恒例となった同日の吟行句会も四年ぶりに復活した。祭りは、須賀川の特産品の胡瓜二本を供え、お護符がわりに別の胡瓜一本を持ち帰り、それを食べると一年間病気にかからないと言われているこの地方の伝統行事である。当日は、午後に入っても雨模様であったが、祭り開始時刻の午後三時頃になると雨もあがり、晴れ間も見えてきた。午後五時過ぎには、同人十二名と一般参加者一名の計十三名が句会場であるホテルサンルート須賀川に集合。一人五句ずつの投句を終えた後、江藤文子同人会長の挨拶があり、早速句会となった。
今年で四回目となる本句会においては、JA夢みなみ様のご協賛により、互選最高得点句にきうり天王祭賞として岩瀬胡瓜一箱(五十本入)を、また、桔槹選者の江藤文子同人会長並びに金子秀子同副会長の各特選一句に選者色紙をそれぞれ贈呈した。今回は、最高得点句が二句生じたため、二句ともにきうり天王祭賞とし、副賞の胡瓜も折半とした。
総括として、吟社の高齢化が進んだためか参加者が十三名にとどまり、例年に比し少なかった中、若き一般参加者が一名あったことは特筆すべき収穫であった。次回は、会員はもとより、それ以外の参加者も更に増やしていきたい。
また、今回から「きうり天王祭」の傍題として「きうり祭」、「きうり祭り」を可としたため作句の幅が広がったものと思う。本傍題については、来年度以降も継続し使用していきたい。
きうり天王祭賞(八点)
阿武隈川の河童も来たれきうり祭 高市 宏
祭の子抱かれて白き足の裏 江藤文子
江藤文子桔槹選者特選
知らぬ子ときうり祭りの中通る 有馬洋子
金子秀子桔槹選者特選
祭の子抱かれて白き足の裏 江藤文子
その他の参加者の句
きうり祭父の匂の肩車 有馬澄子
お仮屋へ手に手にきうり持ちし人 石山たま江
朝取りのきうり持ち寄る祭かな 猪越千代
三丁目こぞりてきうり天王祭 佐藤秀治
きうり祭の黄昏を縫ふ乳母車 佐藤健則
めひかりもばか貝もあり夏祭 鈴木傾樹
御仮屋にいつもの翁きうり祭 相馬優美
老いはみな一病のありきうり祭 高橋富子
列作り列を崩してきうり祭 武田貴志
夕さりてきうり祭りの色となる 村田永子
(文責 佐藤健則)